
エクス・ニヒロ
フランス/ブルゴーニュ

シャンパーニュからブルゴーニュへ
シャンパーニュ出身のモルガンとアルバン。二人はシャンパーニュのワイン学校に通いながら、名門 ユレ・フレール や ベレッシュ で経験を積んだ。モルガンは著名レコルタンの家に生まれ、もともと家族のワイナリーに加わる予定であった。しかし、「シャンパーニュにはシャンパーニュの魅力があって好きだけど、働いているうちにアッサンブラージュが一般的なシャンパーニュよりも、ヴィンテージやテロワールの特徴を表現したワインを造りたいという想いがどんどん大きくなっていったんだ。」そう語るモルガンとともに、アルバンも新たな挑戦を決意。二人はシャンパーニュを離れ、ブルゴーニュに移住した。

畑が高騰するブルゴーニュで選んだマイクロ・ネゴシアンとしての道
現在、ブルゴーニュではワインの取引価格および畑の価格高騰により、畑の購入が難しくなっている。それに伴い、畑を借りてブドウ栽培とワイン造りを行う小規模なネゴシアン(マイクロ・ネゴシアン)が多く誕生している。「ブルゴーニュに移住を決意したけれど、僕たちはシャンパーニュから来た”外の人”で知り合いもいなかったから、本当に苦労したよ」とアルバンは振り返る。ところが偶然、ブドウ栽培を引退した農家の方と知り合い、シャサーニュ・モンラッシェに居を構え、別で知り合った人から2つの区画のブドウを購入できることに。こうして 2023年ヴィンテージから、念願のワイン造りをスタートさせた。


冷涼な区画から生み出される繊細なワイン
モルガンとアルバンの二人は「テロワールを純粋に表現したい」との想いから、2つの区画からそれぞれワインをリリースした。一つはオート・コート・ド・ニュイの”ル・モン(Le Mont)”という区画。そしてもう一つはコート・ド・ボーヌの”レ・モンスニエール(Les Monsnières)”。ル・モンはプレモー=プリセ村の高地に位置し、プリューレ・ロックの所有するクロ・デ・ザルジリエールのすぐ裏側にある。昔は牧草地で羊の放牧に使用されていた。ここではピノ・ノワールが1 haとシャルドネが1 ha植えられており、アルバンはそのうちのシャルドネ1 ha分を借り、管理している。標高350mで西-南西向きの斜面で表土が薄く、石灰質土壌で石が多く、砂、粘土、シルトが混ざり合っている。「2023年は暑い年だったけれど、ル・モンは高台になっているのでしっかりと酸を保ち、バランスの良いブドウができた。他の生産者は8月下旬から収穫を開始した人もいたけれど、僕たちは9月15日まで待つことができた」と語る。コート・ド・ボーヌに位置するレ・モンスニエールは、モンターニュ・ド・ボーヌの頂上、標高350mに位置する。サヴィニー・レボーヌの友人から借りているこの区画では樹齢22年のブドウが南-南西に植えられている。標高の高さに加え、木立や森に囲まれているために冷涼な区画となる。どちらの区画も冷涼さが特徴的で、結果として生み出されるワインは、2023年のような温暖なヴィンテージであっても酸をしっかり保ち、果実の熟度と繊細さを表現したものとなる。

生産者ストーリー
【ルーツを超えて、夢のその先へ。シャンパーニュからブルゴーニュへ】
ラテン語でfrom scratch(ゼロ、何もない状態から)を意味するEx Nihilo(エクス・ニヒロ)という言葉をワイナリーの名前に冠したモルガンとアルバン。その名の通り、彼らはブルゴーニュのシャサーニュ・モンラッシェを拠点にゼロからワイン造りをスタートした。シャンパーニュ出身のモルガンとアルバンは、シャンパーニュのワイン学校に通いながら、ユレ・フレールやベレッシュなどの名門で経験を積んだ。モルガンは著名なレコルタンの家に生まれ、もともと家族のワイナリーに加わる予定であった。しかし、「シャンパーニュにはシャンパーニュの魅力があって好きだけど、働いているうちにアッサンブラージュが一般的なシャンパーニュよりも、ヴィンテージやテロワールの特徴を表現したワインを造りたいという想いがどんどん大きくなっていったんだ。」そう語るモルガンとともに、アルバンも新たな挑戦を決意。二人はシャンパーニュを離れ、ブルゴーニュに移住した。
ブルゴーニュでは畑の価格が高騰し、新規生産者が土地を取得するのは容易ではない。そのため、小規模なネゴシアン(マイクロ・ネゴシアン)が多く誕生している。「ブルゴーニュに移住を決意したけれど、僕たちはシャンパーニュから来た”外の人”で知り合いもいなかったから、本当に苦労したよ」とアルバンは振り返る。ところが偶然、ブドウ栽培を引退した農家の方と知り合い、シャサーニュ・モンラッシェに居を構え、別で知り合った人から2つの区画のブドウを購入できることとなった。こうして、少量ではあるがこうして 2023年ヴィンテージ から、念願のワイン造りをスタートさせた。「小さくても夢をスタートすることができたことが本当に嬉しい。」アルバンは少年のように目を輝かせていた。それでも生産量はまだ少ないため、アルバンは剪定および栽培の専門職として企業で働きながら自分たちの畑とセラーを管理し、モルガンはオリヴィエ・ルフレーヴの輸出担当をメインジョブとして働いている。「他の人が育てたブドウを購入してワインを造ることもできるけれど、僕は自分の手で育てたブドウからワインを造りたい。借りている区画ではあるけれど、その方が、しっかりとブドウとテロワールを理解できて、いいワインが造れると信じているんだ。」エクス・ニヒロでは畑を契約で借り、アルバンが一年中ブドウの世話をしている。「ブドウや畑のエネルギーを最大限活かすために有機農法を行い、ブドウを傷つけずに適切な状態で収穫するために、全て手作業で収穫をしているよ。」
マイクロ・ネゴシアンが増加していることを背景に、現在ブルゴーニュでは複数の新しい生産者で共同のセラーを建てるケースが増えている。ワインの保管だけではなく、プレス機やボトリングマシーンをシェアしている。エクス・ニヒロもピュリニー・モンラッシェに位置する共同セラーで、今をときめくアイシー(Icy Liu)やアドリアン・ブリソー(Hadrien Brissaud)、エイドリアン・ラター(Hadrien Lattard)など10生産者とセラーを共有している。初年度は移住してからできたポマールの友人のセラーで醸造を行ったが、ボトリング前にこの共同セラーが完成したため、ボトリングとエイジングはこのセラーで行った。彼らにとってファーストヴィンテージとなった2023年。「力強くも試練の多いヴィンテージだった」と振り返る。穏やかな冬に始まり、不安定な春、夏は猛暑と涼しさ、嵐が交互に訪れた。シーズンを通して平年を上回る気温を記録し、生育期には深刻な水不足に陥った。それでも、アルバンは近くで丁寧に畑の管理をしていたため、これらのチャレンジングな状況にも対応できたと言う。


二人は「テロワールを純粋に表現したい」との想いから、2つの区画からそれぞれワインをリリースした。一つはオート・コート・ド・ニュイの”ル・モン(Le Mont)”という区画。そしてもう一つはコート・ド・ボーヌの”レ・モンスニエール(Les Monsnières)”。ル・モンはプレモー=プリセ村の高地に位置し、プリューレ・ロックの所有するクロ・デ・ザルジリエールのすぐ裏側にある。昔は牧草地で羊の放牧に使用されていた。ここではピノ・ノワールが1 haとシャルドネが1 ha植えられており、アルバンはそのうちのシャルドネ1 ha分を借り、管理している。標高350mで西-南西向きの斜面で表土が薄く、石灰質土壌で石が多く、砂、粘土、シルトが混ざり合っている。「2023年は暑い年だったけれど、ル・モンは高台になっているのでしっかりと酸を保ち、バランスの良いブドウができた。他の生産者は8月下旬から収穫を開始した人もいたけれど、僕たちは9月15日まで待つことができた」と語る。コート・ド・ボーヌに位置するレ・モンスニエールは、モンターニュ・ド・ボーヌの頂上、標高350mに位置する。サヴィニー・レボーヌの友人から借りているこの区画では樹齢22年のブドウが南-南西に植えられている。標高の高さに加え、木立や森に囲まれているために冷涼な区画となる。
「テロワールを表現することを目指しているから、グラビティフローを採用し、醸造においてはなるべく介入しない造りをしている。」そう語る彼らは、手摘みで収穫したブドウを、6-8時間かけて低圧でプレス。そのまま重力で48時間かけて清澄を行い、ステンレスタンクで野生酵母を用いて発酵を行っている。発酵後5日経ってからステンレスタンクとオークバレルに移し、9カ月熟成を行う。新樽比率はル・モンで18 %、レ・モンスニエールで16 %。
DATA
造り手:モルガン、アルバン
国/地域:フランス/ブルゴーニュ
